患者さんの栄養評価(アセスメント)で陥りやすいワナ・・・。

新人のころに
やっちまってたなーーーw

って思うことがあるんだけど。



なにやら最近後輩を見ていても
それっぽい気があり・・?



は!!!

こ、これは、、、
もしかして誰もが通る道!!??

っと思ったので、
実体験をふまえてお伝えしていきます。



wana



新人のころやっちまっていた過ちとは、

ずばり
患者さんの状態を基準や算出した目標値にあてはめすぎること


です!!!!!



栄養評価(アセスメント)の際ですが、

まずは患者さんの
身長、体重、活動量、病態、年齢etc
を計算式にあてはめて


・BMIや標準体重
・一日に必要なエネルギー量・水分量
を出すことが多いです。


ちなみに算出に使う計算式はいろいろな方法があるので、
病院や施設によって採用しているものは異なりますよ★



そして計算で出した目標値や
採血で得た血液データを

目標値や基準と比較して、
はずれているものがあれば
近づけていく…。


例えば、

・BMI10の患者さんがいたら、
もう少し体重を増やすために
提供熱量を上げましょう!
(BMI18.5未満はやせ)



・1日に1600kcal必要って計算で出ているのに、
1000kcalしか食べれていないから、
あと600kcal分食べれる工夫をしていきましょう!


みたいな感じで。
ざっくり言うとそういう風にやります。
基本は。


わたしも新人のころは、
一生懸命に計算で出した目標に合わせようと
していました。


でもちょっとまって…!?

それでいいの…!?


ってところを疑ってほしいです。





人間ってひとりひとり違います。





身長や年齢を使って
目標値や基準を出しますが、
考えてみてください。

同い年で身長や体重が同じ友達がいるとします。
あなたと似てますか?
同じような生活習慣を送っていますか?
食べる量は同じですか?
筋肉量や活動量も一緒ですか???


まったく自分と似ている人なんていなくね?





最初の評価で目標値を計算し、
目安を知ることは大切です。

しかし、これらの計算は
あくまで簡易的なものです。

例えばBMIの式は
体重kg÷(身長m)


これって年齢とか筋肉量とかは
考慮してないわけです。




水分量でよくもちいられる式も

体重×25~30(高齢者の場合)
=1日の水分量



体重しか見てないんですよ?



汗っかきで代謝が活発な人も
代謝の低い人も同じなんですよ?




よく考えたら、これを全員に
きっちりあてはめて言い訳なーい!






なのに、拙者新人のころは

1日水分量を全員30ml/kg/日の経腸栄養剤のメニューを考えたり、
全員のBMIを22に持っていこうとしたり

見事なまでのすり合わせをしていたでござる。





だけど、ある日先輩に言われました。

「入院時BMI25の患者さんがいたとしても、
元気なときはBMI30くらいあったのだったら今は体重は減っているよね。」


「脳梗塞、寝たきり経管栄養で入院してきた人が元気だったころに痩せたい願望があったのに
入院してから標準体重に近づけようと栄養士がして10kgくらい体重増えてしまったらどう感じるかな?」




後者は、治療の一環なら仕方ない部分もあると思いますが…。

ようは、その患者さんの病院に来るまでの生活背景を見てあげることが大事ということです。


そして入院してからは、体重の増減や水分量のアセスメントを定期的にしていく。

そうすると、驚くほどに
最初に計算で出した基準の目標に当てはまらない人が出てきます。


水分も体重×25~30で足りない人や
適正の熱量を提供しても過度に痩せていく人・太っていく人
さまざまです!!!


人間って計り知れないなぁ…。
って思いますよ、本当に。


あとは、身長とか体重とか寝たきりの患者さんだと測定誤差がある場合もあるので患者さんを絶対この目で見て体格や状態を確かめましょう!
カルテだけ見てたら絶対にだめよ!



<栄養評価ポイントまとめ>
①患者さんの入院までの生活背景を知る
②計算で出した目標値や基準はあくまでも目安
③入院中も症状や体重の増減などを確認し提供内容の見直しをおこなう

④実際にこの目で患者さんを見る